生地に漢字を描いています
SUMIREの服には、
篆書(てんしょ)体の漢字をモチーフにした模様があります。
文字は、模様の一部として。
主張しすぎることなく、生地の流れや余白に溶け込むように配置しています。
「文字であること」よりも、
ひとつのかたち、ひとつの気配として感じていただけたらと思っています。
篆書を描くようになったきっかけ
子どもの頃、書道を習っていました。
当時はひらがなや楷書が中心でしたが、
大人になってから、ふと書道に触れ直す機会がありました。
楷書、隷書、篆書——
漢字の成り立ちを辿る中で出会った篆書は、
私にとって、とても愛らしく、
どこか絵のように感じられる文字でした。
読むことができるものもあれば、
読めそうで読めないもの、
まったく読めないものもある。
その曖昧さも、篆書の魅力だと感じています。
スタンプとして、生地へ
篆書は、もともと印章にも使われてきた文字です。
それなら、版画のように生地へ押すことができるのではないか——
そう考え、スタンプを作ることにしました。
スタンプは手作りです。
染色用の絵具をつけ、
一つひとつ、手で生地に押しています。
同じ文字でも、
力の入り方や絵具の含み具合で、
表情は少しずつ変わります。
その揺らぎもまた、模様の一部として残しています。
「篆書(てんしょ)」について、ほんの少し
篆書は、古代中国で生まれた書体のひとつです。
美しい曲線と装飾性を持ち、
印章や碑文などに使われてきました。
漢字の長い歴史の中で、
篆書は、隷書や楷書へとつながる
原点のような存在でもあります。
現在では、
印鑑の文字や、書道・アートの世界、
日本のパスポート表紙「日本国旅券」の文字にも使われています。