【生地に漢字を描いています】
SUMIREで制作している服に文字を描いています。
篆書(てんしょ)体の漢字を他の模様の中に溶け込むよう、主張はせず模様と一体になるように描いています。
【漢字の決めかた】
使用している文字の決め方は、模様のイメージから「文字(漢字)」を決めます。
漢字は漢字の意味も大切にしながら決めています。
【篆書を描くきっかけは?】
子供の頃に書道を習っていました。
その頃は、ひらがなと楷書(漢字)を書いていましたが、それから月日は経ち、子供の頃を思い出して書道を始めました。
自分で好きな漢字をお手本を見ながら書いていたのですが、そのお手本には楷書、隷書、篆書と現代使っている漢字から
古代の漢字までの歴史が載っていました。
その中で、「篆書」の文字は私にはとてもかわいらしく、そしてアートを感じました。
また、普段使用している漢字に似た形で読める漢字もありますが、
中には全く読めないもの、また、読めそうで読めないものがあるのも篆書の魅力です。
「篆書」を書いてみるうちに、この文字を服に描けないだろうかと考えました。
そして、篆書は印鑑の文字にも使われていることから、スタンプを作って版画のように 生地に押すことができないか
と考えてスタンプを作ることにしました。
スタンプに染色用の絵具を付けて、一つ一つ生地の押しています。 因みに「篆書」のスタンプは手作りです。
【ハンコの動画】※画像をクリックすると動画が見られます。
「篆書体で布に押す「ハンコ」を作った」
「篆書体の「空」「福」をハンコで押してみる」
【「篆書(てんしょ)」についてほんの少し】
篆書(てんしょ)は古代中国の書体の一つで、特に秦の始皇帝の時代に標準化されました。
篆書は美しい曲線や装飾的な要素が特徴で、主に印章や碑文に使われていました。
漢字の発展過程の中で、篆書は後の隷書や楷書の基礎となりました。
≪篆書の特徴≫
形状: 曲線が多く、複雑なデザイン。
用途: 主に印章(はんこ)や碑文に使用されました。
発展: 後に隷書や楷書が生まれる基礎となりました。
≪日本での使用例≫
印章: 日本の印鑑には、篆書を使ったデザインが多く見られます。
特に個人の印鑑やビジネス用の印鑑に篆書が使われることがあります。
アート: 書道やアート作品として篆書が使われることがあります。
篆書の美しさを生かした作品は、現代の書道家にも人気です。
パスポート:日本のパスポートの表紙「日本国旅券」の文字は篆書体を使用しています。